【第11回】株式会社ポラリス – 地域で支えて、”自分の足でしっかりと歩けるようになる”

市内でもよく見かける「ポラリス」。どうやらデイサービスなどをされている会社のようですが、どんなお互いさまな取り組みをされているのでしょうか。森社長にZOOMでインタビューさせていただきました!

中島:「ポラリス」は宝塚の街中で車や看板をよく見かけますが、なんの会社なのか知らない方もいらっしゃるのではないかと思います。どんな会社か改めてお聞かせください!

森社長(以降、森):ポラリスは介護の会社で、主にデイサービスをやっている会社です。

中島:今は「森”社長”」ですが、元々は「森”先生”」としてお医者をされておられましたよね。社長としてポラリスを設立されたきっかけというのは何だったのでしょうか?

森:私は元々外科医だったんですが、あるとき祖母が脳梗塞になって、急性期は熱心に診てもらえるが、そのあとが疎かになっているという事態を直に経験したんです。もう良くならないとわかって家に帰ってきたあと、どう元気になってもらうか、ということを誰も研究も実践もしていない。誰もやらないなら、自分がやろうと思い、クリニックを始めたのがきっかけです。

はじめは医療法人ではじめたんですが、株式会社でやるようになったのは、取り組みを広く知ってもらうために、上場することを目指したからです。自分では社会貢献がなかなかできない人の代わりにポラリスが社会貢献ができるソーシャルIPOをやりたくて、株式会社を設立しました。

中島:自立支援介護の会社というイメージだけで、そんな背景があったとは知りませんでした。ポラリスも、森社長の自分ごとの経験からだったのですね。

世界一の自立支援ノウハウで社会貢献をするソーシャルベンチャー

中島:ポラリスでは、自立支援介護を軸に、色々な事業を展開されていると聞きます。詳しく教えていただけますか?

森:数年前から色々はじめているので順番に紹介しますね。

・母子の支援事業「ママ幸プロジェクト」

シングルマザーの貧困問題を解決しようと、2019年4月よりシングルマザーに働くところ、預けるところ、住むところをポラリスが一体的に提供するというものになります。

・お寺と提携したデイサービス

三重県の四天王寺というお寺の中でデイサービスを行っています。昔は地域の中心がお寺だったことから、お寺には地域を支えていく役割があるのではないかと感じていて、一方でお寺の存在意義が失われつつある現状をどうにかしたいという住職の想いがおありだったので、それなら地域に必要とされるお寺をつくって、宗教に関係なく地域の人に元気になってもらおうと、去年の8月からはじめました。

・ホテルやリゾートでリハビリができるプレミアムな「ポラリスステイ」

富裕層にサービスを利用してもらって貧困層の支援へ回すというソーシャルベンチャーのビジネスモデルを取り入れた介護サービスを行っています。

超富裕層の要介護高齢者に、中之島のリーガロイヤルホテル、ハウステンボスのホテルヨーロッパなどの高級ホテルやリゾートで、3ヶ月間過ごしてもらいながら歩けるようにするという介護サービス。

こちらは順調に成果があがっていて、そこで得た利益で、なかなかデイサービスに行けない貧困層の要介護高齢者向けに、無償でデイサービスに来てもらえるようになる取り組みもつくっていて、もうすぐ始まる予定です。

これらは全部、ポラリスのコアである”自分の足でしっかりと歩く”という理念で動いていて、その中でも、歩けなくなった人をもう一度歩けるようにする実績は、実はポラリスがダントツに一番で、世界を見ても類を見ない強いノウハウを持っていることになります。その強みを生かして、新しい取り組みを展開していっています。

中島:実に盛りだくさんで、色々な角度から様々な方へアプローチをされているのだなと感じました。その中でも「ママ幸プロジェクト」は、実際に利用されているシングルマザーの方から、つながりが深くて、みんなで支えあいながら暮らせているという話を聞いています。

宝塚が良くなるためなら- ポラリスをどんどん使って欲しい

中島:最後に、ポラリスは宝塚市の取り組みであるエイジフレンドリーシティ宝塚の縁卓会議に参加していますが、宝塚のまちづくりについて森社長の構想は何かありますか?

森:ポラリスが縁卓会議に参加していることは実は知らなかったんですけどね(笑)

私、生まれも育ちも宝塚で、宝塚愛は誰にも負けないと思っています。今、宝塚に10箇所ぐらい施設も作っていますが、地域創生と言っていいのか、まちづくりの視点では地域の高齢者が元気であるということはとても重要だと思っているんです。

厚労省が自治体の介護費用の補助に関する方針を出してからは、どう取り組めば高齢者が元気なまちにできるかを様々な自治体から相談を頂いたりして、最近では高石市や川西市などと一緒に取り組みはじめているところなんです。宝塚市にも協力をしたいと色んな角度からアプローチしているんですが、なかなか縁遠いみたいで(笑)。

先日、ちょうど縁卓会議の生きがい就労の方からもポラリスを取材して頂いたんですが、宝塚には高齢者を元気にする実績もあるし、うまくポラリスを使ってもらって、協力しながら進めていきたいなと思ってるんですけど、これ誰に言えばいいんですかね(笑)

地域福祉課北村:今、市では政策推進課が企業などとの協定関係を進めていっているので、おつなぎさせてもらいます!

中島:縁卓会議では、市民が主体となって、市や企業と一緒にまちをよくしていこうという取り組みなので、この場もどんどん活用してください!

森:宝塚のためならなんでもします、と言うと外からみたいな言い方になりますが、そういうつもりではなくて、一緒にやっていきたいと思っているので、なんでも言ってください。

一同:心強いです!

インタビューだったのが、最後はミニ縁卓会議をやっているような話になりましたが、取材を通して森社長のストレートな想いをお聞きすることができました。

高齢者介護から始まった自立支援を、社会的弱者を”もう一度歩けるように”地域で支える自立支援へと広げ、まちを支える市民として活躍するポラリスという存在は、宝塚にとっても重要な存在であると再認識させられました。

これから、宝塚をよりよくしたいという想いを共有し、一緒にまちづくりに取り組んでいけることを嬉しく思います。ポラリスさん、今後ともよろしくお願いいたします!

名称株式会社ポラリス
代表森剛士
URLHP:https://www.polaris.care/

縁卓会議の開催情報や参加方法については、事務局までお問い合わせください

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