BONBONCANDYにじいろじかん-互いの違いを尊重し合う優しい世界を目指して

「きっかけはわが子の闘病生活でした。」 自身のお子さんの小児がん発覚、入院治療、こどもホスピスとの出会いから、すべての子どもが子どもらしくい られることを心から願い、2020年3月に宝塚で立ち上がったチャリティユニット“BONBONCANDYにじいろじか ん”

今回は、代表の中村末葉さんにチャリティを通して“互いの違いを尊重し合う優しい世界を目指す”取り組みについて お伺いしました。

※写真添付

BONBONCANDにじいろじかん 代表中村末葉さん

●活動をはじめた経緯を教えてください。 ”恩返し”がしたいと思ったのがきっかけです。こどもが2歳の時に小児がんを患っていることが発覚し

1年の入院治療、さらに1年半自宅での服薬治療を経験しました。そのときに出会ったのがTSURUMIこどもホ スピス(大阪市鶴見区鶴見緑地内)で日本で当時一つしかなかったこどものホスピスでした。

●こどもホスピスとはどのような場所ですか? 命を脅かされるような病気をした子供たちが与えられた時間を、一定の配慮をしてもらった上でこどもらしく遊べ

る場所です。

入院中は、同じ境遇の患者さんや医療関係者が話し相手になるので情報交換が頻繁にできますが、退院してし まうと話せる人がいません。そんな中でホスピスに出会い、そこが寄付で運営されているという事を知りました。

●ホスピスとの出会いが、いまの活動につながっているんですね。

こどもホスピスは、社会復帰が決まったらメンバーから外れなければいけません。ホスピスの認知度が上がって いったり、優先度が高い子供たちを受け入れるようになって、逆に孤立する親子がいるということも知りました。 そこでそういう親子が過ごせる居場所が作りたいと思いました。

●宝塚でやろうと思ったのはなぜ?

我が子が生きるまちを、寛容性のあるまちにしたい、という想いがあったからです。 がんばって治療したことがすごいわけでもなく、普通に健康だからいいわけでもない、 それぞれがそれぞれであるということを知ること、が相互理解につながると思っていて、 子どもが子どもらしく生きる大切さを伝えていきたいと思いました。

●どんな方が一緒に活動をされているんですか?

同じように病気を経験したこどものお母さん、病棟保育士をしていた方、子育て支援活動をしておられる方々と 一緒に活動をしています。 子供らしく生きるのは病気があってもなくても関係ないよね、という理念に共感したメンバーが集まっており、メン バーの特徴は、こどもの近くにいる人たちが多いことです。病気や虐待、こどもたちに何かしてあげたいと思って いる人が多いです。

●活動の詳しい内容を教えてください。 昨年は、11月27日(土)に「チャリティレモン祭り」を宝塚市立文化芸術センターで、12月18日(土)はには「子ど

もたちに命のクリスマスプレゼントを GOTO 献血」を阪急宝塚駅前宝塚ゆめ広場で開催しました。

チャリティーレモン祭りには、小さい子ども連れのおやこがたくさん来場してくれ、”寄付を身近”に感じてもらうこと ができたと実感しています。ものを買って寄付につながる、売上が必要な人に使われていることをしっかり伝える ことができたと思っています。

献血イベントに関しては、企画当初から、“子育て世代でも献血にいきやすい環境づくり”を重視し、託児スペース を設け、こどもたちも楽しく過ごせる工夫をしました。結果、兵庫県赤十字血液センターの方が「こんなに若い世 代やはじめての方が来られたことにとても驚いた」とおっしゃるほど、これまで献血に出向いたことのない方が来 場され、献血についての理解を持ってもらうことができました。

●宝塚市ではお互いさまのまちづくりを目指していますが、中村さんが思う「お互いさま」とはなんですか? 自分と全く同じ人って絶対いないです。けれど、「普通」とか同調圧力がどうしてもあります。

みんなグラデーションがあって少しずつ違う、という理解がこれから広がって欲しいなと思います。

●「お互いさまがあふれるまちづくり」を自分ごととして捉えてもらうには、どんなことが大切だと思いますか? 自分の経験をわかりやすく伝えることだと思います。BONBONCANDYにじいろじかんでは、ホームページやブ

ログ、SNSを通して発信しています。

●ホームページやチラシも、とてもかわいいデザインですよね。 想いが重すぎるものにはしたくなかったんです。いろんなひとに気軽に見てもらえるものがいいなと、知人のイラ

ストレーターに描いてもらいました。

●これからやりたいことはありますか?

ストレスやイライラしたときに、出せる場所があればいいなと思っています。助けて欲しいけれど、本当に大変な ときは、声をあげることすらできない。どう助けて欲しいかを伝えられるほど余裕がないとき、外からのサポート があればいいなと思っています。

●最後に、一言おねがいします。

お互いさまで、迷惑かけてもいい、周りを許容しながら暮らせる優しい世界を作りたいと思っています。そのため の気付きを与えられるような活動をこれからもしていきたいと思います。

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